劇団ゲキハロ第8回公演 おばぁちゃん家のカレーライス 〜スマイルレシピ〜 追記分 その3


劇団ゲキハロ第8回公演 おばぁちゃん家のカレーライス
〜スマイルレシピ〜


千秋楽から3日。もう少し余韻に浸りたく。


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スマイレージキャスト】


主人公 七海  …前田憂佳
いとこ 里帆(姉)…和田彩花
    千帆(妹)…小川紗季
    凪沙  …福田花音


【あらすじ】


3年前に亡くなったという、おじいちゃんが開いていたカレー屋を
舞台に物語は展開される。


一人で暮らしているおばあちゃんの元に久々に集まった親戚一同。


初めは再会を喜び合い、無邪気にはしゃいでいた子供たちだったが、
主人公の七海は父親がいない里帆、千帆姉妹に向かってこんな無神経な
言葉を投げかけてしまう。


『(口煩い)お父さんなんて居ない方が良い』
『里帆と千帆が羨ましい』


いつも無邪気な里帆は塞ぎ込んでしまう。
激高する千帆。なだめきれずに戸惑う凪沙。



千帆に『人の気持ちを全然わかってない』と強く責められ、
落ち込む七海だった。


そんな彼女に救いの手を差し伸べてくれたのはおばあちゃん。


『一緒に作ろう』とご飯を握りはじめた。


おにぎり?と問いかける七海に、"おむすび"とおばあちゃん。


食べる人の事を思って作るといい。
その人の事を思って、気持ちがひとつになるように優しく"むすぶ"といい。


料理を通じて人を思う気持ちを教わった七海。
いとこたちと自然に仲直り出来たのだった。





『おじいちゃんの作る料理は、みんなの心をむすんだ』


こんなおばあちゃんの思い出話を聞いた七海は、おじいちゃんの
カレーライスを再現することを提案する。
どこか表情が冴えないおばあちゃんを元気付けたいという思いからだった。


しかし、そんなことをしたら逆におじいちゃんの事を思い出して辛いに
決まってる、と千帆は強く反対した。





そして次の日。


近所に住むお姉さんが店を訪れ、
おばあちゃんに向かってこんな話を切り出した。


『あの噂ほんとなの? このお店売っちゃうって…。』


再会して以来、おばあちゃんの表情が冴えなかった理由が
ようやく分かった七海。


店や母屋を処分し、おばあちゃんは老人ホームに入ることを
勧められている事。
そして得た資金の一部は自分達の養育費にも充てられる予定である事。
全てを知り、胸中複雑な子供たち。


みんなの思い出の詰まったこの店を無くしたくない。
おばあちゃんの笑顔を取り戻したい。
そして、みんなの気持ちをむすびたい。


『あたしたちはあたしたちのできる事をやろう!』


"おじいちゃんのカレーライスを再現する"


子供たちの思いはひとつになった。


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『この店を私が継ぐ!』とまで言わしめた七海の強いヽ思いに、
親戚一同、いや、会場に居あわせた全員が心打たれた事でしょう。


ラストシーンでは七海の父親のこんなセリフがありました。


『カレーなんかに人の心は動かせない』


何故こんなセリフを吐かせたのでしょうか。


それは、人の心を動かすのはやっぱり"人の心"なんだ。


…そういう事なんじゃないかと思います。



七海は表現の仕方が下手くそな為、色々と衝突がありました。
でも、一番純粋に人の気持ちを考えていたのは実は彼女だった
のかもしれません。


だから、最終的にはみんなの気持ちを動かすことが出来たのだ
と思います。


人の気持ちが解る。ってどういう事なんだろう。



深くヽ考えさせられた機会となりました。




舞台をご覧になってない方は、ぜひDVDでチェックしてみてください。




長くなりましたので、後日もうちょっとだけ追記して、この公演に
ついての感想の締めとしたいと思います。