島国日本演劇祭 大人の麦茶「美女木ジャンクション」観劇 その13




美女木ジャンクション」公演についての感想。
今まで書いてきた内容と重なるところもありますが、
もうひとことだけ書いて締めとします。


本公演、僕がメインテーマと感じたのは『家族愛』でした。


登場人物はどこか、心に寂しさを抱えた人達。
母親の居ないヒロ(前田憂佳)、父親の居ない乃里子(福田花音)。
この二人の成長物語が軸となっていましたが、
どの登場人物にも感情移入出来る部分がありました。


家族、恋愛、結婚、離婚、友情、
格差社会、理想と現実


様々なメッセージがちりばめられていたと思います。
観劇した方それぞれ、色々な思いを抱いたことでしょう。


先日、こんなことを書きました。

ジャンクションとは、
複数の道路間を行き来するための結線道路を指します。
様々な方向から、様々な目的地を目指して
車が集結してくる場所です。


それはさながら、
本劇中の登場人物が複雑に絡み合う関係性を
思い起こさせます。


人と人が出会い、影響し合い、
そしてまた思い思いの方向に進んでいく。


ある者は走り抜ける。
ある者は立ち止まり、
そして、歩みを緩める者もいれば、
走り出す者もいる。


ジャンクションを行き来する車の様子を思い浮かべながら、
そんなことを考えてました。


登場人物の行く末は、はっきりとは語られていません。
でも、エンディング間近、広重の病室でのシーンを思い起こすと。。


今まで苗字に由来するあだ名で呼び合っていた二人が、
お互いの呼び方を変えてました。


 ヒロ  <  いこっ・・・。 乃里子。 


 乃里子 <  ・・・うん。 いこっ。ヒロ。


顔を見合わせ、今までに見せたことのない、
心からの笑みを浮かべる二人。


この二人の表情は、この物語の登場人物全員の行く末を
表している気がしました。

 

>人と人が出会い、影響し合い、
>そしてまた思い思いの方向に進んでいく。


物語上の登場人物だけではありません。
出演者、演出、スタッフ、全7公演延べ2千人の観客。


池袋あうるすぽっとに出現した
"美女木ジャンクション"を通じて交わり、
影響しあった皆さんは、今、思い思いの方向に
進んで行っていることと思います。


皆様の未来に幸あることを願います。




最後になりましたが、僕的には塩田泰造さんからこうエール・・・、
というか叱咤激励を貰った気がしてますのでそれを書いて締めます。





『お前ら、しっかりしろよっ!!!』




もしこの公演に関する記事、最後まで読んで下さった方が
いらっしゃいましたら、お礼が言いたいなぁ。
どうもありがとうございました。



【今日の粒やき byちゃい】
未だに美女木ジャンクションの赤信号につかまったままの
僕は、いったい何処へ向かえばよいのやら。(≧◇≦)