冬の怪談〜ぼくとワタシとおばあちゃんの物語〜 上映 その8


今日が、私がスクリーンでこの物語を観られた最後の
機会となりましたので、現時点での感想を書いて
おきたいと思います。


私にとって、強く印象に残っているのは、
この作品の"色"の使い方です。


冒頭は恐怖シーンからはじまるものの、
勘太郎、春菜兄妹の微笑ましいやりとりが挟まれ、
まだ平穏な時間が流れていることが感じとれました。


しかし、小夜と春菜が出会うシーンから、
風景が一変します。


今思い返しても不快。
スクリーンは、実に不快な黄色がかった
おどろおどろしい雰囲気になります。
日は差しているのに、どこか薄暗い。


ただ、そんな映像に強い不快感を感じながらも
知らず知らずのうちにストーリーにのめり込んでいる
自分に後から気付かされました。


ラストシーン。
まだ、危機が去った訳ではないのですが、
青みがかった元の世界に戻ってました。


何かを強く自覚した春菜の鋭い視線。


より一層、このラストシーンが引き立つ
結果になった、と感じました。










この物語の中には、ストーリー上、理解しかねる点が
幾つかあります。


ただ、それは(矛盾してるようですが)逆に終始一貫
していた部分でもあるのです。



そう。


七海は言ってました。



『全ては記号に過ぎない』




・・・と。




勘太郎の言葉を借りると。



『意味なんてないんだろ』


『ありとあらゆるすべてにさ』



・・・これらの言葉に尽きると思います。









最後に。



作品通じてのメッセージは、
貫太郎が息子、勘太郎に投げかけた
この言葉だと思っています。





『お前にとって、この世界は幸せか?』





・・・。






この世知辛い世界からの




"カ・イ・ホ・ウ"




もしかしたら、それが我々にとって本当の
"幸せ"なのかもしれません。




【今日の粒やき】


明日8/7が映画公開の最終日です。
まだご覧になってない方は是非ゝ劇場に足を
運んでもらいたいと思います。


また、DVD化も決定してると聞いてます。
劇場で観られなかった方は是非DVDで
チェックしてくださいネ♪